「補助金でパソコンを買いたい」。相談で一番多い入口がこれです。結論から言うと、デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)でPC・タブレットが対象になるのはインボイス枠(インボイス対応類型)だけです。しかもPC単体では申請できません。ここを知らずに動いて外す人が本当に多いんですよ。
公募要領を3回読んでみたら、ハードウェアまわりは「どの枠か」「何とセットか」「いつ買うか」の3点で整理できました。この記事ではその3点を、外しやすいパターンとして解説します。
先に結論:PC・タブレットの補助ルール早見表
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象になる枠 | インボイス枠(インボイス対応類型)のみ |
| 通常枠・セキュリティ対策推進枠 | ハードウェアは対象外 |
| PC・タブレット等 | 対象経費の上限10万円、補助率1/2(補助は最大5万円の目安) |
| レジ・券売機等 | 対象経費の上限20万円、補助率1/2(補助は最大10万円の目安) |
| 対象外 | リース・レンタル、中古品、無償提供品、交付決定前の契約・発注・支払い |
※上記は中小企業庁の概要資料と、それを整理した解説ページの記載をもとにしています。上限額や条件は公募回で変わる可能性があるので、申請前に最新の公募要領で必ず確認してください。
パターン1:通常枠で申請して、PCが丸ごと対象外になる
一番多いのがこれです。「AIツールを入れるついでにPCも」と通常枠で見積に載せると、ハードウェア部分は補助対象になりません。通常枠はソフトウェアやクラウド利用料などITツールが中心の設計だからです。
うちで実際に取った時の話なんですけど、最初に枠を選ぶとき「何を買いたいか」から逆引きしてしまい、枠の対象経費表を見ずに進めかけたことがあります。幸い事前に表を見直して軌道修正できました。枠の選択は、買いたい物ではなく対象経費表から決める。これが鉄則です。
- PC・タブレットを補助に乗せたい → インボイス枠を検討
- AI・業務ソフトが主役でPCは自費でよい → 通常枠で、PCは対象外と割り切る
- どちらも補助にしたい → 枠をまたいでの扱いは公募要領と支援事業者に確認(併用可否は私は未確認です)
パターン2:ハードだけ買おうとして、ソフトとセットになっていない
インボイス枠のハードウェアは、会計・受発注・決済ソフトとあわせて申請する仕組みです。「PCだけ補助してほしい」という申請はできません。逆に言うと、すでに使っているソフトの更新だけでは条件を満たさない場合があるので、導入するITツールが登録済みか、IT導入支援事業者に先に確認しましょう。
ここでの注意点
- ITツールは、IT導入支援事業者が事務局に登録した物から選ぶ
- 申請は支援事業者と共同で行う
- 補助率「最大4/5」はソフト部分(小規模事業者が対象の条件あり)の話で、ハードウェアには適用されない
4/5という数字だけ見て「PCも8割補助」と思い込む人がいます。ハードは1/2、上限10万円です。ここは混同しやすいので、計算例で確認しておきます。
| 購入するPC | 対象経費 | 補助額の目安 | 自己負担 |
|---|---|---|---|
| 12万円のノートPC | 上限10万円まで | 5万円 | 7万円 |
| 8万円のタブレット | 8万円 | 4万円 | 4万円 |
消費税の扱いなど細かい計算は公募要領の記載に従ってください。ここでは目安として示しています。
パターン3:交付決定前に買って、全部対象外になる
補助金の大原則ですが、交付決定前の契約・発注・納品・支払いは対象外です。PCは家電量販店ですぐ買えるぶん、「先に買っておこう」が起きやすい。気づいたときには取り返しがつきません。
ものづくり補助金の初採択のとき、私も採択通知で「もう動いていい」と思い込んで手続きを2週間以上遅らせた失敗があります。採択と交付決定は別物。PCのような小さな買い物でも同じルールが適用されます。
- 支援事業者と見積・ツール内容を固める
- 交付申請を行い、交付決定を待つ
- 交付決定の通知を確認してから発注・購入
- 納品・支払いの証憑(見積書・請求書・振込記録)を保管
なお、2027年4月の飲食料品の消費税率変更に備えたスマートレジ・POSレジ類型が予定されており、申請受付は2027年1月中旬以降の予定、事前着手の扱いも別に設けられる見込みと紹介されています。ただし予定段階なので、公募要領の公開後に確認してください。これはPCには当てはまらない可能性が高いので、混同しないでください。
申請前の確認手順(テンプレで時短すると)
テンプレで時短すると、確認は5分で終わります。私は次のチェックをNotionに置いています。
- 買いたい物をリスト化(PC・タブレット・レジ・ソフト・AIツール)
- それぞれ「どの枠の対象経費か」を公募要領の表で照合
- ハードはインボイス枠に限られることを確認
- リース・中古・無償品でないか確認
- gBizIDプライムの取得状況を確認(取得に時間がかかるので早めに)
- 締切と、支援事業者の受付締切(本締切より前のことが多い)を確認
よくある質問
Q1. 通常枠でパソコンを申請できますか?
できません。ハードウェアが補助対象になるのはインボイス枠(インボイス対応類型)に限られます。
Q2. PCだけの購入に補助金は使えますか?
インボイス枠のハードウェアは会計・受発注・決済ソフトとあわせた申請が前提で、PC単体の申請はできません。
Q3. 補助額はいくらになりますか?
PC・タブレット等は対象経費の上限10万円、補助率1/2なので、補助は最大5万円が目安です。レジ・券売機等は上限20万円で、補助は最大10万円が目安です。
Q4. 中古PCやリースは対象ですか?
中古品とリース・レンタルは対象外とされています。
Q5. 先に購入してしまったら?
交付決定前に契約・発注・支払いをしたものは対象外です。すでに購入済みの場合は、その分は諦めて次の機会の計画に回すのが安全です。






