残り27日です。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金の第1回公募締切(2026年10月30日18:00)まで、今日10月3日の時点でカウントダウンは27日を切りました。
「まだ時間あるやん」と思ってる方、ちょっと待ってください。
うちで実際に取った時の話なんですけど、締切2週間前に加点項目をチェックしたら、取れると思っていたものが1つも取れていなかったことがあります。申請書本文を仕上げることに集中しすぎて、加点に必要な「事前手続き」を完全に後回しにしていたんです。結果として、加点なしで申請せざるを得なかった。採択はされましたが、あの時の悔しさは今でも忘れられません。
今回は、研究開発・新製品開発に取り組む中小企業が「残り27日」の段階で加点項目を取りこぼすパターンを3つ整理しました。どれも「知っていれば防げた」話です。
そもそも「加点項目」とは?
新事業進出・ものづくり補助金では、申請書の内容(技術面・事業計画面)だけでなく、加点項目と呼ばれる「補助的な評価要素」があります。加点を取得しているかどうかで審査における点数が変わり、採択率にも影響します。
主な加点項目は以下の通りです(2026年第1回公募要領より):
- パートナーシップ構築宣言:令和8年1月1日更新のひな形を利用して宣言を公表している事業者
- 事業継続力強化計画:申請締切日時点で有効な認定を取得している事業者
- 賃上げ関連加点:賃上げ計画(給与支給総額の年率2.0%以上向上)を表明している事業者
- DX推進・カーボンニュートラル関連など(省略)
重要なのは、「加点項目は申請締切日時点で満たしている必要がある」という原則です。申請書を出した後で「取りました」では遅い。
では、研究開発型中小企業が陥りやすい3つのパターンを見ていきましょう。
パターン①:パートナーシップ構築宣言を後回しにして、公表が間に合わない
「パートナーシップ構築宣言、登録するだけでしょ?」と思っていませんか。
確かに手順自体は難しくありません。ひな形をダウンロードして、自社名・代表者名・宣言内容を記入し、PDFにしてポータルサイト(biz-partnership.jp)からアップロードするだけです。費用もゼロ。
ところが、登録してからポータルサイトに公表されるまで3〜10日かかります。補助金申請が集中する時期(まさに今がそれです)はさらに遅れることがあります。
「公表」というのが重要で、締切日時点でポータルに企業名・宣言文が掲載されている状態でないと加点になりません。登録済みでも未公表では対象外です。
さらに2026年は、令和8年1月1日改正のひな形を使用することが要件になっています。古いひな形で登録してしまうと要件不適合になるため、必ず最新版を使ってください。
うちで実際に取った時の話なんですけど、以前に古いひな形で登録したものをそのままにしていて、審査で「ひな形バージョンが要件を満たしていない」と指摘されたことがあります。登録しただけで安心せず、要件確認を怠らないようにしましょう。
今すぐできること:biz-partnership.jpにアクセスし、令和8年1月1日改正のひな形を使って今週中に登録手続きを完了させてください。公表まで最大10日を見込むと、10月20日が実質のタイムリミットです(10月30日締切から逆算)。
パターン②:事業継続力強化計画の認定に45日かかることを知らず、すでに手遅れ
これが今回3パターンの中でもっとも深刻です。
事業継続力強化計画(いわゆるBCP認定)は、地方経済産業局に申請してから認定まで標準45日かかります。書類不備があればさらに時間がかかります。
今日2026年10月3日から申請したとして、認定が下りるのは早くても11月中旬〜下旬。第1回公募の締切は10月30日です。どう頑張っても間に合いません。
公募要領を3回読んでみたら、「事業継続力強化計画の加点は、申請締切日時点で有効な認定を取得していること」と明記されています。「申請中」では加点対象になりません。これを知らずに「認定申請だけ先に出しておけば大丈夫だろう」と思い込んでいる方がいますが、それは大きな勘違いです。
事業継続力強化計画の認定を持っていない研究開発型中小企業は、第1回公募では諦めて、今すぐ認定申請を出し、第2回以降での加点取得を目指すのが現実的な戦略です。
うちで実際に取った時の話なんですけど、事業継続力強化計画は認定申請から45日後に認定書が郵送されてきました。それを見た時に「この補助金の締切まであと1週間やった、なんで先に動かなかったんや」と後悔したことがあります。今の時期に「次の公募で取る」ために今すぐ動く方が、長期的にはずっと賢い選択です。
今すぐできること:中小機構の「BCPはじめの一歩」サイト(kyoujinnka.smrj.go.jp)から申請様式をダウンロードし、第2回公募(2027年以降)に向けて今月中に認定申請を出してください。
パターン③:賃上げ加点を「採択後に考えればいい」と思い、申請書への記載が漏れる
賃上げ加点は3つの中でもっとも「うっかり」が起きやすいパターンです。
賃上げ計画による加点を得るには、申請書と一緒に「賃上げ計画の表明書」を提出する必要があります。これは採択後ではなく、申請時点での提出が求められます。
「補助事業が採択されてから賃上げ計画を検討しよう」と考えている経営者は少なくありませんが、それでは加点を受けられません。申請書を完成させた後に「あ、表明書を添付し忘れた」と気づいても、締切後の差し替えは原則できません。
また、賃上げ加点は申請書本文にも記載が必要です。給与支給総額の年率2.0%以上の向上を事業計画の中でどう実現するかを具体的に書くことが求められます。
公募要領を3回読んでみたら、賃上げ関連の記載箇所は複数ページにわたって散らばっています。見落としやすいのは、申請書チェックリストの中の「賃上げ計画の表明書」という項目です。
今すぐできること:申請書類一式のチェックリストを今すぐ確認し、「賃上げ計画の表明書」の様式を中小機構のダウンロードページから取得してください。様式への記入自体はそれほど難しくありませんが、社内で承認を得る時間が必要なため、早めに動くのが吉です。
まとめ:「残り27日」の加点項目チェックリスト
| 加点項目 | 今日からの対応 | 対応状況 |
|---|---|---|
| パートナーシップ構築宣言 | 今週中に令和8年1月1日版ひな形で登録(公表まで最大10日) | 要確認 |
| 事業継続力強化計画 | 今回は断念。今すぐ申請して第2回以降に備える | 今回は対象外 |
| 賃上げ加点 | 申請書類に「賃上げ計画の表明書」を忘れず添付 | 要確認 |
加点は採択率を上げる重要な要素です。申請書の中身を磨くことも大事ですが、「取れる加点を確実に取る」という視点も同じくらい大切です。補助金マニアとして20件以上の採択を経験した身から言えるのは、加点の取りこぼしは準備不足ではなく「タイムラインを知らなかった」ことが原因である場合がほとんどだということです。
よくある質問(FAQ)
Q1. パートナーシップ構築宣言は一度登録すれば永続的に有効ですか?
いいえ。公募ごとに要件が変わることがあります。2026年第1回では「令和8年1月1日更新のひな形を使用した宣言の公表」が要件とされています。過去に登録済みでも、ひな形のバージョンが要件を満たしているか確認してください。
Q2. 事業継続力強化計画の認定は、今回の申請に間に合わせる方法はないですか?
残念ながら、標準処理期間が45日のため、今日(10月3日)から申請しても10月30日の締切には物理的に間に合いません。申請を急いでも処理は早まりません。次回公募に向けて今すぐ動くことをお勧めします。
Q3. 賃上げ計画の表明書は、実際に賃上げを実施しないと後から返金を求められますか?
はい。補助事業終了後3〜5年の事業計画期間の最終年度において、目標値を達成できなかった場合は、未達成率に応じて補助金の一部返還が求められます。実現可能な目標値の設定が重要です。
Q4. 複数の加点項目を同時に取得することはできますか?
はい、可能です。パートナーシップ構築宣言・賃上げ加点・その他の加点項目を同時に取得することで、採択率を高めることができます。各加点項目は独立して評価されます。
Q5. 加点項目がゼロでも採択される可能性はありますか?
あります。採択の判断において申請書の内容(革新性・実現可能性・収益性など)は依然として最重要の評価要素です。ただし、同水準の申請書が複数ある場合に加点が差をつけることは事実であり、「取れる加点は取る」姿勢が採択率を高めます。






