長野県で事業をしている中小企業・個人事業主が、2026-11-05 時点で県の公式ページから「いま申請の窓口が開いている」と確認できた県の補助金は、副業・兼業人材の活用、賃上げ環境整備(賃上げ+設備投資・人材育成)、そして成長志向企業向けの2制度(成長支援・国内販路開拓)です。この記事では、長野県独自の部分が国の制度とどこが違うのか、申請の順番、つまずきやすい点、募集が終わった制度の「次の見通し」を整理します。
先にお断りします。国の小規模事業者持続化補助金などは、今回、中小企業庁のページを開けず(アクセス拒否)、金額や締切を確認できませんでした。確認できていない数字は書かない方針なので、載せていません。国の制度として金額・日程まで確認できたのは、厚生労働省の「業務改善助成金」だけです。
長野県独自の補助金は、国の制度と何が違うのか
県の公式ページを読むと、県の制度の特徴は次の3つです(いずれも 2026-11-05 時点の記載)。
- 国の制度に「上乗せ」する形がある:「中小企業賃上げ・生産性向上サポート補助金」は、国の業務改善助成金の支給決定を受けていることが前提の県の上乗せ補助です。国の制度を先に通すことが入口になります。
- 国の対象から外れた人を拾う枠がある:「賃上げ環境整備促進補助金(基本型)」は、国の業務改善助成金の対象にならない水準の事業者向けです。
- 県内事業者・県の宣言が条件になる:賃上げ関係は「社員の子育て応援宣言」と「パートナーシップ構築宣言」の両方、成長支援系は県の「成長志向企業宣言」の認定が条件です。
いま申請できる長野県の制度(2026-11-05 時点)
副業・兼業人材活用促進事業補助金
県内に本社または主たる事業所があり、長野県プロフェッショナル人材戦略拠点(プロ拠点)を通じて副業・兼業のプロ人材と業務契約を結んだ事業者が対象です。
- 導入支援型:対象経費の10分の8以内、上限50万円(初回活用時の紹介手数料・報酬・移動費。支援対象は1名分、契約期間1〜6か月)
- 移動費補助型:対象経費の2分の1以内、上限50万円
- 両区分の併給は不可
- 申請期間:令和8年4月1日〜令和8年12月28日。予算上限に達した時点で受付終了
- 2026年4月1日以降に契約した案件が対象。交付決定前に支払った経費は対象外
賃上げ環境整備支援事業(賃上げ環境整備促進補助金ほか)
2026年5月22日に受付が始まった事業です。県発表時点の内容は次のとおりです(金額は発表時点のもの)。
- 基本型:事業場内最低賃金を50円以上引き上げ、生産性向上につながる設備投資や人材育成を行う中小企業が対象。上限960万円
- 上乗せ補助(賃上げ・生産性向上サポート補助金):国の業務改善助成金との併給が可能。国の支給決定が前提
- 人材育成追加型:基本型または上乗せ補助に申請した事業者が、研修などを追加で行う場合。上限30万円
- 共通条件:県内に事業場があること、「社員の子育て応援宣言」「パートナーシップ構築宣言」の両方を行っていること
- 受付:リーフレットの記載で、旧様式は令和8年10月1日まで、改正後の様式は10月2日以降(終了日の記載なし)。10月2日以降は改正後の様式で申請が必要です
改正後の補助率・上限・区分の線引きは、公式ページのリーフレットで確認してください。この記事では発表時点の数字しか確認できていません。
中小企業成長支援補助金・中小企業国内販路開拓助成金
「売上高10億円突破支援プロジェクト」の中の制度です。対象は、県へ成長志向企業宣言を行い認定を受けた県内中小企業で、直近3期の平均売上高が1億円以上10億円未満であることなどが参画要件です。そのため、売上規模の小さい個人事業主は対象外になりやすい制度です。
- 中小企業成長支援補助金:補助率2分の1以内(小規模事業者は3分の2以内)、上限2,000万円。第2回公募は令和8年11月20日(金)まで(審査あり)
- 中小企業国内販路開拓助成金:補助率3分の2以内、上限20万円。令和8年12月28日(月)まで(受付順に審査・交付決定)
注意:県のページでは、この2つの日付が制度名と並んで書かれておらず、公募要領・申請要領のリンク文言との並びから対応を読み取っています。申請前に必ず各要領のPDFで日付を確認してください。成長支援補助金は締切まで残り約2週間です。
申請の順番:どれを先に取ると、他が取れなくなるのか
公式ページの記載から言える順番と注意点です。
- 宣言を先に出す:賃上げ関係は「社員の子育て応援宣言」と「パートナーシップ構築宣言」、成長支援系は「成長志向企業宣言」の認定が入口です。補助金の準備より先に宣言です。
- 国の業務改善助成金が先、県の上乗せが後:上乗せ補助は国の支給決定が前提です。ただし長野県での国の交付申請の受付は令和8年10月1日で終了しています(下記)。今年度に間に合わなかった人向けの扱いは、県の賃上げ関係ページに「経過措置」の案内があるため、労働雇用課に確認してください。
- 契約・支払いは交付決定の後:副業・兼業人材の補助は、交付決定前に払った経費は対象外です。賃上げ・設備投資も、業務改善助成金は「まだ実施していない賃上げ・設備投資」が対象で、計画を出して交付決定を受けてから実行する流れです。
- 併給できないものを先に確認:副業・兼業の導入支援型と移動費補助型は併給不可。県のエネルギーコスト削減助成金(後述)は、過去に旧制度を使ったことがないことが要件でした。
よくある不採択・不交付の理由
統計ではなく、公式ページの条件や注意書きから見える落とし穴です。
- 宣言(子育て応援・パートナーシップ・成長志向)が済んでいない、または一方しか出していない
- 引上げ前の事業場内最低賃金の水準で、申請する区分を誤っている(区分で使える補助金が変わる)
- 10月2日以降に旧様式で出してしまう
- 国の業務改善助成金を期限内に申請していないため、県の上乗せに進めない
- 交付決定前に契約・発注・支払いをしてしまう
- 予算上限に達して受付が終わる(副業・兼業人材補助など)
過去の制度(募集終了分。次年度の見通しの材料)
- 国:業務改善助成金(令和8年度):全国の申請期間は9月1日から、都道府県の地域別最低賃金の発効日の前日か11月30日のいずれか早い日まで。長野労働局のページでは、受付は令和8年10月1日までと案内されています。事業完了期限は交付決定の属する年度の1月31日です。
- 長野県エネルギーコスト削減助成金【中小企業者向け】:令和8年7月13日〜9月30日の募集。基本コースは補助率2分の1以内・上限500万円、促進コースは4分の3以内・上限1,500万円。受付は期日どおり終了しています。
- 令和8年度業務共同化モデル実証補助金:補助率2分の1以内、上限500万円。提出期限は令和8年7月17日。県内中小企業を含む2社以上の連携体、または事業協同組合等が対象でした。
- 中小企業エネルギーコスト削減助成金(旧制度):令和4〜6年度に実施。令和6年度は4月下旬と6月下旬に募集があり、ページには「令和7年度の募集は予定していません」とあります。
次年度の見通しとしては、令和8年度は春〜初夏に開いた制度が多く(賃上げ関係は5月、業務共同化とエネルギー系は7月前後)、7月以前に準備を済ませておくのが現実的です。ただし、令和9年度の実施可否や時期は、県が予算を決めるまで公式には分かりません。県の中小企業支援ページを定期的に確認してください。
問い合わせ先
- 副業・兼業人材、成長支援、国内販路開拓、エネルギー・業務共同化:長野県 産業労働部 経営・創業支援課 中小企業支援係(電話 026-235-7195)
- 賃上げ環境整備支援事業:長野県 産業労働部 労働雇用課(電話 026-235-7118)/相談窓口 長野県賃上げ・業務改善支援センター(Bizサポ)長野事務局(電話 050-5805-4878)
- 国の業務改善助成金:長野労働局 雇用環境・均等室(電話 026-223-0560。9:30〜12:00、13:00〜16:30が繋がりやすい旨の案内あり)
参考文献
- 売上高10億円突破支援プロジェクト (2026-11-05 確認)
- 副業・兼業人材活用促進事業補助金 (2026-11-05 確認)
- 令和8年度 賃上げ環境整備支援事業の受付を開始します (2026-11-05 確認)
- 賃上げ環境整備支援事業 (2026-11-05 確認)
- 長野県中小企業賃上げ・生産性向上サポート補助金のご案内 (2026-11-05 確認)
- 長野県エネルギーコスト削減助成金【中小企業者向け】の募集 (2026-11-05 確認)
- 令和8年度業務共同化モデル実証補助金 (2026-11-05 確認)
- 中小企業エネルギーコスト削減助成金 (2026-11-05 確認)
- 業務改善助成金(厚生労働省) (2026-11-05 確認)
- 業務改善助成金について(長野労働局) (2026-11-05 確認)






