Go-Tech事業(令和8年度)の不採択通知が2026年9月上旬に届いた。
採択率43%、採択122件・不採択162件という結果を見て「43%も通ってるやん」と思った方、ちょっと待ってください。不採択になった162社のうち、今この瞬間に次の手を打てている会社は何社あるでしょうか。
実は今、絶妙なタイミングがきています。新事業進出・ものづくり補助金(第1回)の締切が2026年10月30日。残り47日。
Go-Techの研究開発型中小企業にとって、ものづくり補助金は「事業化フェーズを補助する制度」という意味でピボット先として筋がいい。ところが実際に動いてみると、審査員の前に立つ前に3つの落とし穴にはまって脱落する会社がものすごく多い。
公募要領を3回読んでみたら、その脱落構造がめちゃくちゃクリアに見えてきたので今日はこれをお伝えします。
Go-Tech不採択からものづくり第1回へ:47日間の逆算カレンダー
| 日付 | やること | 備考 |
|---|---|---|
| 9月13日(今日) | GビズIDプライム取得申請・金融機関へ確認書依頼 | これを今日やらないと詰む |
| 9月20日〜27日 | GビズIDプライム取得完了(申請から1〜2週間) | マイナンバーカード必須 |
| 10月1日〜10日 | 事業計画書・補助事業実施計画書の完成 | Go-Tech申請書の流用不可部分を中心に |
| 10月10日〜15日 | 金融機関確認書の取得(内部決裁1〜2週間) | 実質デッドライン:10月15日前後 |
| 10月28日〜30日 | 電子申請・最終確認 | 10月30日17:00締切 |
このカレンダーで「詰む」ポイントが3か所あります。それが今日の3パターンです。
【パターン1】Go-Tech申請書をそのまま流用 → 書面審査で即アウト
うちで実際に取った時の話なんですけど、最初にやりがちなのが「Go-Techに出した申請書をベースにものづくりの書式に貼り付ける」という作業です。
研究開発の技術的優位性の記述はそのまま使えます。でも、ものづくり補助金の事業化面の審査項目は別物です。
具体的に何が空白になるか
- 付加価値額の増加率:年率4.0%以上(ものづくり補助金の必須要件)
- 給与支給総額の増加率:年率3.5%以上(賃上げ要件・政策目標と連動)
- 最低賃金の地域別達成状況(都道府県ごとに基準値が異なる)
Go-Tech申請書にはこの3つが存在しない、あるいは別の文脈で書いてあります。テンプレで時短すると、この「事業化面の数値空白」が発生して、書面審査の第一関門を通過できません。
なぜ審査員に気づかれるか
ものづくり補助金の審査員は「補助事業終了後3〜5年の事業計画」と「付加価値額4.0%増」の数値連動を必ずチェックします。研究開発フェーズの計画書(Go-Techスタイル)は事業化後の売上・コスト構造が薄いため、この連動が成立しない。数値を後付けで入れても「計画の根拠が不明」として減点対象になります。
対策
Go-Tech申請書は「技術開発の記述ソース」として使い、事業化面は白紙から書き直す。具体的には「この技術で何を売るのか・誰に・いくらで」を5年分モデルにしてから付加価値額・賃上げ率を逆算で導く。この作業に最低3〜4日かかります。
【パターン2】金融機関確認書の手配を10月中旬に放置 → 実質デッドライン10月15日を過ぎる
令和6年度から認定支援機関確認書が廃止され、かわりに金融機関確認書が必要になっています(新事業進出・ものづくり補助金統合後の様式)。
公募要領を3回読んでみたら、この変更が意外と大きな罠だとわかりました。
なぜ10月15日が実質デッドラインか
- 金融機関(銀行・信金)は確認書発行に社内稟議・融資担当者の確認が必要
- 中小企業向け確認書の内部決裁は1〜2週間が標準的な所要時間
- 10月30日に間に合わせるには10月15日〜17日頃には依頼済みである必要がある
- 10月の後半は担当者が年度末・決算期の案件で混む(特に地銀・信金)
「10月28日に金融機関に電話したら『2週間かかります』と言われて終わり」という事例が毎回出ます。
認定支援機関(税理士・中小企業診断士)との違い
以前の認定支援機関確認書は税理士・中小企業診断士が発行者であり、比較的早く取得できました。金融機関確認書は銀行・信用金庫等が発行者のため、組織的な審査プロセスが入ります。「顧問税理士に頼めばすぐ出る」という感覚で動くと詰みます。
対策
今日(9月13日)中にメインバンクに電話して「10月上旬を目標に金融機関確認書を発行してほしい」と依頼する。交付申請書の下書きを先に渡すと金融機関側の審査がスムーズになります。
【パターン3】GビズIDプライム未取得 → 締切1週間前に気づいても間に合わない
これが一番やばいパターンです。Go-Tech事業はe-Radで申請します。ものづくり補助金はGビズIDプライムが必要な補助金申請システム(jGrants)で申請します。別システム、別ID。
GビズIDプライムとは
- 法人・個人事業主向けの政府共通認証システム
- マイナンバーカードを使ったオンライン申請、または書類郵送での申請
- 申請から取得まで1〜2週間(混雑時は3週間超える場合も)
- 代表者個人のマイナンバーカードが必要(カードリーダー or スマホ対応)
なぜGo-Tech経験者がハマるか
e-Rad(府省共通研究開発管理システム)はe-Radのアカウントを使います。多くのGo-Tech申請企業はe-Radアカウントを持っていますが、GビズIDプライムは別途取得が必要です。「前回の申請で使ったIDがある」という思い込みで気づかずに10月末まで放置するパターンが出ます。
取得の流れ
- GビズIDのウェブサイトから申請(gbiz-id.go.jp)
- マイナンバーカード+スマホのNFC機能でオンライン申請(最短翌日〜数日)
- 書類郵送の場合は印鑑証明書が必要で2〜3週間かかる
マイナンバーカードが手元にある場合はオンライン申請で比較的早く取れますが、「マイナンバーカードを会社に持ってきていない」「スマホのNFC設定がわからない」で詰まる担当者が続出します。今週中に確認してください。
3パターンを乗り越えた後の「申請書流用の正しい使い方」
テンプレで時短するなら、Go-Tech申請書から使えるパーツと使えないパーツを切り分けることです。
流用OK(そのまま転用できる)
- 技術的課題の記述(研究開発の背景・先行技術との差別化)
- 研究開発体制・スケジュール(人員・工程表)
- 知財戦略・特許出願予定の記述
流用NG(ものづくり向けに書き直し必須)
- 事業化計画(売上計画・収益モデル・マーケット分析)
- 付加価値額・賃上げの数値根拠
- 補助事業後の雇用・生産性への効果試算
- 設備投資の詳細(ものづくり補助金は設備費が補助対象の中心)
「流用OK」部分でかなりの時間を節約できます。Go-Tech申請書を作った担当者がいる会社は、その担当者に「技術面の記述は転用するから、事業化面を白紙で書いて」と役割分担するのが最速パターンです。
よくある質問(FAQ)
Q1. Go-Techの不採択理由通知は申請書に活用できますか?
活用できます。不採択理由に「研究開発計画の実現可能性」や「事業化への道筋」が言及されている場合、ものづくり補助金の事業化面を強化するヒントになります。ただし「研究開発の新規性が低い」という指摘の場合は、技術記述の再整理が必要です。
Q2. 設備投資がない研究開発型企業でも申請できますか?
できます。クラウド利用費・技術導入費・専門家経費なども対象です。ただし「設備投資ゼロ」の計画は審査でマイナス評価になりやすいため、何らかの機械装置・システム構築費を計上することを推奨します。
Q3. 申請書の分量はどのくらい必要ですか?
公式の字数制限はありませんが、採択事例の傾向として事業計画書(様式2)は10〜20ページ程度が多いです。Go-Tech申請書はA4で20〜30ページあることが多いので、素材として十分な分量はあります。
Q4. 金融機関確認書は取引のない銀行でも発行してもらえますか?
原則として取引実績のある金融機関への依頼を推奨します。新規取引の金融機関の場合、確認書の発行に時間がかかるか断られる可能性があります。メインバンク・サブバンクへの依頼が最も確実です。
Q5. 採択率の目安はありますか?
第1回の採択率はまだ公表されていませんが、直近の通常枠では30〜50%程度で推移しています。Go-Tech経験者は技術的根拠が整っているため、事業化面を適切に補完すれば採択可能性は高い。締切直前の駆け込みは書類の質が下がるため、10月上旬〜中旬の完成を目標にしてください。
まとめ:今日やること3つ
- GビズIDプライムの取得状況を確認する(なければ今日中に申請)
- メインバンクに金融機関確認書の発行を依頼する(10月上旬を目標に)
- Go-Tech申請書の「流用NG」部分を特定して事業化計画の白紙作成を開始する
47日は十分な時間です。ただし上記3つを今日やらなかった場合、実質的な申請可能日数は急速に縮まります。Go-Tech不採択の悔しさを次のステージで晴らしてください。






